八丁堀裏十手シリーズ  二見書房/二見時代小説文庫

虎は老いても駄馬にはならず! 妖甲斐の陰謀に立ち向かう「北町の虎」の勇姿を見よ!!

残念ながら4巻どまりとなってしまった「毘沙侍降魔剣」シリーズのリベンジ企画として二見文庫で手がけ、倍の8巻に達したところで内容も大団円となりました本シリーズは「隠居与力吟味帳」「算盤侍影御用」と同じく、天保年間の江戸が舞台です。主人公の嵐田左門(あらしださもん)は北町の虎と異名を取った敏腕同心でしたが、還暦を迎えたのを機に楽隠居ができると喜んだ矢先に後継ぎの息子が突然姿を消し、同心株も知らぬ間に売り飛ばされて路頭に迷ってしまいます。そこでやむなく始めたのが「裏十手」と称する金稼ぎ。代々の北町奉行に可愛がられてきた左門は悪党が相手でも極力斬らず、天下の御法の裁きに委ねることを前提に、古くからの相棒で頼りになる岡っ引きの鉄平、同心あがりの札差の入り婿で剣の腕は半人前ながら算盤名人で頭も切れる半井(なからい)半平、立場を超えた友情で結ばれた御様御用首斬り役の山田朝右衛門吉昌と養子夫婦の吉利と幸(ゆき)、心形刀流の若き宗家である伊庭軍兵衛秀業(ひでなり)らの助けを借りて妖甲斐(ようかい)こと鳥居耀蔵と戦いながら、愛して止まない大江戸八百八町の治安を陰で護ります。実在の人物である高野長英と江川太郎左衛門英龍(ひでたつ)が重要なキャラクターとして登場する他、旧知の左門のために立ち上がる宇野幸内と高田俊平の活躍もありますので「隠居与力」ファンの方はぜひ。

【表紙(イラスト 安里英晴)】
左から順に第1巻『間借り隠居』2011年3月刊、第2巻『お助け人情剣』2011年8月刊、第3巻『剣客の情け』2012年3月刊、第4巻『白頭(はくとう)の虎』2012年11月刊、第5巻『哀しき刺客』2013年6月刊、第6巻『新たな仲間』2013年11月刊、第7巻『魔剣供養』2014年6月刊、第8巻『荒波越えて』2014年12月刊です。全8巻完結。

八丁堀裏十手シリーズ 第1巻 間借り隠居八丁堀裏十手シリーズ 第2巻 お助け人情剣八丁堀裏十手シリーズ 第3巻 剣客の情け八丁堀裏十手シリーズ 第4巻 白頭の虎八丁堀裏十手シリーズ 第5巻 哀しき刺客八丁堀裏十手シリーズ 第6巻 新たな仲間八丁堀裏十手シリーズ 第7巻 魔剣供養八丁堀裏十手シリーズ 第8巻 荒波越えて

「塩谷隼人江戸常勤記」シリーズに引き続き、安里英晴先生に表紙を描いていただきました。老人ながら六尺豊かな大男で筋骨たくましく、面構えも厳めしいものの、表情は優しげ……とした私の人物描写をお汲み取りいただき、全体に左門がソフトでユーモラスな顔つきをしているのが印象的でした。そんな表情との対比で躍動感ある動きと緻密な刀さばきが際立ち、さすがは居合のご経験をお持ちの安里先生ならではの出来映えです。先生にはその後も各社の新作でお世話になっております。今後ともよろしくお願い申し上げます。