深川船番心意気シリーズ  朝日新聞出版/朝日文庫

我ら中川船番衆。毎日地道に働き、時として人知れず剣を振るい、江戸の治安を陰で支える男たち!

私が初めて深川を訪れたのは時代小説家デビューを果たして間もない頃、「陰流・闇仕置」シリーズのロケハンでした。もともと郊外で生まれ育ったもので川と言えば多摩川にしか馴染みがなかったため、隅田川とつながる大小の運河の数の多さに圧倒され、今も東京を支える産業のために使われていることに感動したのを、よく覚えています。そんな経験を元に生まれた本作品、残念ながら2巻どまりになってしまっておりますが、いつもの私の作品とは少々異なる、美形ながら気弱な青年と醜男ながら腕利きでしっかり者の相棒が友情を育み、年上の船番仲間たちに見守られながら成長していく、江戸時代のお仕事小説に触れていただければ幸いです。

【表紙(イラスト 卯月みゆき)】
左から順に第1巻『お助け奉公』2012年10月刊、第2巻『出女(でおんな)に御用心』2012年11月刊です。全2巻完結。

深川船番心意気シリーズ 第1巻 お助け奉公深川船番心意気シリーズ 第2巻 出女に御用心

作中で重要な存在である「水」のイメージを上手く捉えていただいています。以前にアニメの仕事のお手伝いをさせていただいていたとき、水の流れや動きを絵にするのは実に大変とうかがったことがあります。卯月先生、その節はお手数をおかけしました。良いお仕事をしていただき、ありがとうございます。