江都の暗闘者(こうとのあんとうしゃ)シリーズ  双葉社/双葉文庫

吉宗の治世を陰で支える特命集団。若豹の飛剣が闇を裂く!

田沼意行(たぬまおきゆき)に昔から関心がありました。池波正太郎先生の『剣客商売』にも登場する実在の名老中、田沼意次(おきつぐ)の父親です。田沼家はもともと紀州藩の足軽でしたが意行が藩主の徳川吉宗に抜擢されてお付きの小姓に、そして吉宗が八代将軍の座に着くと同時に直参旗本に取り立てられました。足軽から旗本に出世を果たしたわけですが、息子の意次は老中の座にまで上り詰めたのですから、まさに破格の出世。そんな息子の栄達の背景に実は父親の意行による陰の働きがあったのではないかと仮定し、史実に絡めた話が書けないだろうか……と企画させていただいたのが本作品。後日譚の「暗殺奉行」シリーズも、機会があればお読みになってみてください。

【表紙(イラスト 横田 美砂緒)】
左から順に第1巻『将軍の刺客』2007年12月刊、第2巻『青鬼の秘計(ひけい)』2008年4月刊、第3巻『金鯱(きんこ)の牙』2008年9月刊、第4巻『大奥の若豹』2009年1月刊、第5巻『尾張暗殺陣』2009年8月刊、第6巻『甲賀の女豹(めひょう)』2009年11月刊、第7巻『巣立ちの朝』2010年5月刊。全7巻完結【絶版】。各社様で幅広くご活躍中の横田先生、お世話になりました。

江都の暗闘者 第1巻 将軍の刺客.jpg江都の暗闘者 第2巻 青鬼の秘計.jpg江都の暗闘者 第3巻 金鯱の牙.jpg江都の暗闘者 第4巻 大奥の若豹.jpg江都の暗闘者 第5巻 尾張暗殺陣.jpg江都の暗闘者 第6巻 甲賀の女豹.jpg江都の暗闘者 第7巻 巣立ちの朝.JPG

表紙の男性キャラクターは田沼家に仕える若党(わかとう。武家奉公人)で戦国乱世の忍びの末裔、白羽兵四郎(しらはねへいしろう)。横田先生がしっとりしたタッチで描いてくださった4巻、および6巻で兵四郎に寄り添う女性キャラクターは木場の材木問屋の一人娘、お初(はつ)。5巻で兵四郎におんぶされている少年は柳生藩の次期当主で、将軍家剣術師範の見習いとして頑張る柳生矩美(のりよし)。そして7巻で兵四郎を見送るのは主人の田沼意行と愛妻の辰、抱かれている赤ちゃんは田沼龍助(りゅうすけ)――後の田沼意次です。若い兵四郎はさまざまな事件を経て成長しながら親代わりでもある田沼夫婦との絆を、相思相愛のお初との情愛を、年下ながら剣の師匠である矩美との師弟愛を育んでいきます。徳川吉宗に大岡越前守忠相、江戸と尾張の柳生一門など歴史上の多彩な人物が各巻に登場するのも本作品の読みどころとなっております。